· 

2022年度卒業制作優秀作品

 

安藤 凌「仕合せの歩みから」2022年度芸術学部長賞

 

[作者]

安藤 凌

[作品]

「仕合せの歩みから」

[作者コメント]

Z世代の私たちは、生まれた時から絶えず複雑さが増していく世の中に生きている。

不安要素が多い今の時代に、どのように私たちは「豊か」に「幸せ」を感じとる事ができるように

なるのだるか。4人の協力者を通して、「シンプリスト」である彼らの意識と活動を探った。

[受賞]

2022年度芸術学部長賞

 

 

堀越 千晴「来世」2022年度芸術学部長賞

 

[作者]

堀越 千晴

[作品]

「来世」

[作者コメント]

「来世は猫になりたい」

人間で生きること自体を生業のように感じることがある。複雑な人間関係や勉学・労働、

自分自身だけではどうすることもできない運命に打ちひしがれ、全てに嫌気がさした時に

そう口にしていた。しかし、このままでは来世猫になっても地獄かもしれない。

[受賞]

2022年度芸術学部長賞

 

 

水上 寛庸「冷たい抱擁」2022年度芸術学部長賞

 

[作者]

水上 寛庸

[作品]

「冷たい抱擁」

[作者コメント]

自分の手で粘土を捏ねるという物理的な作業には、自身の中にあるイメージを思い描くという

精神的な作用が伴う。私が再現しようと試みた形は女性に違いなかった。

しかし特定の誰かではない。人形はいわば、私の女性にまつわる記憶の具象となり、私の前に立った。

そしてやがて訪れるべき別れの練習相手を務めてくれた。なぜなら記憶は、冷たい手で

いつまでも私を掴んで離さない、亡霊のような恋人であるからだ。

[受賞]

2022年度芸術学部長賞

 

 

坂入 亮「旅標」2022年度芸術学部長賞

 

[作者]

坂入 亮

[作品]

「旅標」

[作者コメント]

此れは、「最期の余韻」である。

焚き火がだんだんと熱を引いていくように、

街も人も、呼吸をしながら誰にも悟られずに変わってゆく。

何れほど永遠を思えど、その心情と現実は時を重ねるごとに乖離を増す。

いつの日か、合理化の名の下に儚く散りゆく、旅の記憶の物語。

[受賞]

2022年度芸術学部長賞

 

 

横田 航洋「凍て解け」2022年度芸術学部長賞

 

[作者]

横田 航洋

[作品]

「凍て解け」

[作者コメント]

2011年3月11日14時46分、福島の地と人々の運命が激変した。東日本大震災によって建物が

倒壊し、津波が街に甚大な被害を与えた。そして、福島第一原子力発電所の事故が追い打ちをかけ、

震災によって混乱状態にある中で福島の人々は十分な情報を与えられぬまま避難を強いられた。

2021年夏、震災・原発事故から10年が経過した福島へ初めて足を運んだ。

日々生活をする中で見聞きする「復興」とはかけ離れた光景が私を迎え入れた。

[受賞]

2022年度芸術学部長賞

 

 

干場 天裕「懐古採集写真」2022年度金丸重嶺賞

 

[作者]

干場 天裕

[作品]

「懐古採集写真」

[作者コメント]

現実世界は止まることなく、変わり続けている。

幼少の思い出、学校からの帰り道、家族との会話、夕暮れの紅。僕はカメラを使って日本の

様々な土地に転がる記憶の欠片を集め、忘れたくない懐かしさを未来に持っていくことにした。

僕の集めた記憶の欠片が、あなたの記憶を呼び返すきっかけにもなれば幸いである。

[受賞]

2022年度金丸重嶺賞

 

 

三神 日和「産土に謡う」2022年度金丸重嶺賞

 

[作者]

三神 日和

[作品]

「産土に謡う」

[作者コメント]

この地には代々受け継がれてきた「謡」がある。その舞台となった歴史ある祭は、

コロナ禍と深刻な高齢化によって開かれなくなった。人々は今後、以前のような祭が開かれる

ことはないだろうと語る。この地の歴史や文化を物語る光景は、無言の消滅へと歩んでいくの

だろうか。持続可能な地方の地域づくりは、いまだ整う状況ではない。私たち若者は、

どのようにして「ふるさと」を残していくことに関わっていけるのだろうか。

[受賞]

2022年度金丸重嶺賞

 

 

三浦 千歳「"在"たり前の日々」2022年度金丸重嶺賞

 

[作者]

三浦 千歳

[作品]

「"在"たり前の日々」

[作者コメント]

生まれてからの18年間を過ごした秋田県男鹿市。大学進学で東京都心で過ごした5年間。

この5年間で当たり前だったことの多くは過去の出来事となってしまった。

自然豊かな男鹿の風景と日々変わりゆく実家の状況。これは当たり前だった日常、在りし日々の

記録だ。コロナ禍において度々言い返された当たり前の日々。しかしパンデミックの有無に

関わらず慣れ親しんだ日々が常に存在し続ける保証はどこにもない。

[受賞]

2022年度金丸重嶺賞

 

 

清水 敬祐「Do Reflective Objects Illuminate the Future?」2022年度金丸重嶺賞

 

[作者]

清水 敬祐

[作品]

「Do Reflective Objects Illuminate the Future?」

[作者コメント]

これは太陽光発電設備により変化した地方の景観を撮影したものである。2009年に余剰電力

買取制度が制度が施行されて以降、太陽光発電設備は急速に広まり、私の故郷である群馬県の景観は

大きく変化した。60年代にアメリカで立ち上がったNew topographicsにおいて時代性と

環境の変化が表現されていたことを踏まえ、私は2020年代の作品として人間が変えた景観を

記録し、現代の手法によって写真で残そうと考えた。

[受賞]

2022年度金丸重嶺賞

 

 

渡邊 菜々実「渋谷人類図鑑」2022年度金丸重嶺賞

 

[作者]

渡邊 菜々実

[作品]

「渋谷人類図鑑」

[作者コメント]

東京の中心街、渋谷。この街にはたくさんの変わり者が生息している。

そんな彼らを渋谷の街並みを背景にして撮るのではなく、

敢えてシンプルな背景に誘い込み、『人類』を際立たせた撮影を行なった。

彼らは普段、どのような生活を送っているのだろうか。

これは渋谷での人間観察の記録である。

[受賞]

2022年度金丸重嶺賞

 

 

酒井 葵織「yohaku」2022年度芸術学部症奨励賞

 

[作者]

酒井 葵織

[作品]

「yohaku」

[作者コメント] 

「言えなかったことって残るんだよ。服のシミみたいに。」

あるドラマの登場人物が言っていた。

多くのシミがついてしまった私だけれど、そのおかげで浮き出た景色だってあるはず。

余白のなかに入る、もっと違った形の言葉があるはず。

[受賞]

2022年度芸術学部奨励賞