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2015年度卒業制作優秀作品

 

母袋つばさ「優しい世界」2015年度芸術学部奨励賞受賞作品

[作者]

母袋つばさ

[作品]

「優しい世界」

[解説]

絵本の世界を写真と言葉で表現した作品。好きな絵本の主要な情景を、被写体から丹念に作り込み、それを自ら撮影するとともに、絵本の意味を掘り下げた作者自身の言葉を添えている。大人になったからこそ分かる絵本の魅力や奥深さを表現している。被写体の配置やライティング等も緻密に計算された秀作として評価された。

[受賞]

2015年度芸術学部奨励賞

 

 

小財美香子「南へゆけば」2015年度芸術学部金丸重嶺賞受賞作品

[作者]

小財美香子

[作品]

「南へゆけば」

[解説]

作者が大学1年の時に亡くなった兄がよく旅行していたインドネシアを訪れ、中判カメラとカラーフィルムによって撮影された作品である。南国のまろやかな光、ゆるやかな時間の流れと生活がうまく表現されている。単なる旅行写真でなく、兄への追憶の旅という気持ちが込められた、優しい眼差しによる秀作として評価された。

[受賞]

2015年度芸術学部金丸重嶺賞

 

 

川村将貴「自分のために 人のために」2015年度芸術学部金丸重嶺賞受賞作品

[作者]

川村将貴

[作品]

「自分のために 人のために」

[解説]

北海道の作者の実家の写真館と、大学のスタジオで撮影した肖像写真、そして被写体へインタビューした文章で構成した作品である。高画素のデジタルカメラによる存在感のあるモノクロの肖像写真となっている。単なる肖像写真でなく、被写体となった人物の生き方や心境を聞き出し、心打つ文章を付した秀作として評価された。

[受賞]

2015年度芸術学部金丸重嶺賞

 

 

星野佑「Another Sky」2015年度芸術学部金丸重嶺賞受賞作品

[作者]

星野佑

[作品]

「Another Sky」

[解説]

4年間の歳月をかけ、日本各地に出かけて、自分が見てきた空を大胆な構図でまとめ上げた作品である。常に素直な心で空に向かい合う真摯な姿勢と、空を見つめる視点はユニークであり、捉えられた空は劇的で見るものを飽きさせない。空を何よりも愛している作者の写真に対するこだわりを強く感じる秀作であると評価された。

[受賞]

2015年度芸術学部金丸重嶺賞

 

 

八木元春「Time」2015年度芸術学部長賞受賞作品

[作者]

八木元春

[作品]

「Time」

[解説]

作者が小学校4年生の時に参加した清里の自然環境を体験するキャンプを取材した作品。ボランティアとして3年間同行し、大自然の中で「子供である時間」の大切さを作品にしている。単なる記録写真でなく、子供たちの感情や心の成長が伝わってくる。構図も卓越し、子供たちの五感が巧みに表現された力作として評価された。

[受賞]

2015年度芸術学部長賞

 

 

田中雅貴「うつしよから」2015年度芸術学部長賞受賞作品

[作者]

田中雅貴

[作品]

「うつしよから」

[解説]

我々が暮らす現世(うつしよ)と、永久に変わらない聖なる常世(とこよ)との境界を表現しようとした作品である。出雲に生まれ育った作者は、日本の風土や独特の自然崇拝の精神性に惹かれ、出雲をはじめ様々な場所で、心惹かれるイメージを切り取っている。見る者を画面に引き込む力をもつ興味深い秀作として評価された。

[受賞]

2015年度芸術学部長賞

 

 

松本安奈 「予感させた未来」2015年度芸術学部長賞受賞作品

[作者]

松本安奈

[作品]

「予感させた未来」

[解説]

日本で生まれ育ち、大学入学前の青春期をカナダで過ごした作者が、人格形成に深く関わった二つの国で撮影したスナップ作品である。自分自身と向き合い、未来を感じながら、独自の心象風景を創り上げている。両国の国旗の色から発想し、赤を基調にしたモノトーン調に仕上げたプリント技術も優れた作品として評価された。

[受賞]

2015年度芸術学部長賞

 

 

小松拓也「慟哭と再生の狭間で Iwaki city 2012-2015」2015年度芸術学部長賞受賞作品

[作者]

小松拓也

[作品]

「慟哭と再生の狭間で Iwaki city 2012-2015」

[解説]

福島生まれの作者が、幼時から親しんだいわきの海をテーマに、東日本大震災からの復興の様子を4年間に渡り記録した作品である。昼夜となく丁寧に撮影された作品からは、作者の故郷に対する想いや、いまだ癒えることのない人々の悲しみが感じられる。作者の想いが作品のすべてから強く伝わってくる力作として評価された。

[受賞]

2015年度芸術学部長賞

 

 

岩井里紗「花の肖像」2015年度芸芸術学部長賞受賞作品

[作者]

岩井里紗

[作品]

「花の肖像」

[解説]

4×5インチの大型カメラによる花のクローズアップ作品である。花の美しさを引き出すため、スタジオでライトを工夫し、様々な距離や角度から撮影を試みた。モノクロームの静謐なトーンにより格調高い気品を感じさせる見事な花の肖像写真となっている。デジタルプリントの確かな階調再現の技術による秀作として評価された。

[受賞]

2015年度芸術学部長賞