· 

2011年度卒業制作優秀作品

 

栗原小織「太陽 I風の知覚 IIキジムナー」2011年度芸術学部奨励賞受賞作品

[作者]

栗原小織

[作品]

「太陽 I風の知覚 IIキジムナー」

[解説]

南の島に何度も訪れ撮りためたカラーとモノクロの二部作で彷徨感を漂わせる不思議な作品である。南国のアンニュイな午後の時を、スコールの後の噎せ返るような情景を、ガジュマルの木に宿る妖精キジムナーが集めたかのような表現である。私たちが太陽のもとで生きていることを思い起こさせる秀作であると評価された。

[受賞]

2011年度芸術学部奨励賞

 

 

西村満「今の自分」2011年度金丸重嶺賞受賞作品

[作者]

西村満

[作品]

「今の自分」

[解説]

東京から離れた地方都市出身の作者が、大都会の中で今の自分を見つめ直しつつ、ここに居るという感覚を巧みに表現した作品である。今いる場所が作者にとって大きな希望であり、明るい未来であることが伝わってくる。今ここに生きる自分を、不安感も漂わせながら初々しく表現した好感のもてる作品であると評価された。

[受賞]

2011年度金丸重嶺賞

 

 

酒井成美「Mimēsis」2011年度金丸重嶺賞受賞作品

[作者]

酒井成美

[作品]

「Mimēsis」

[解説]

神話や伝説に登場する女神を模倣することで神聖な存在として女性性を表現した力作。世界に存在する女神のイメージを丹念に調査し、それに見合うヌード像を創出した。プリント用紙にハンドマーブリングを施し、どの女神にも重要な「赤」を流れるような模様として付け加え、美しい視覚世界を実現した秀作として評価された。

[受賞]

2011年度金丸重嶺賞

 

 

堀美由紀「自然美 ―夏―」2011年度金丸重嶺賞受賞作品

[作者]

堀美由紀

[作品]

「自然美 ―夏―」

[解説]

幼いころから登山に親しんできた作者の山への思いを写真を通して表現した作品。様々な山岳を対象として自然が見せる繊細な移ろいの瞬間を的確に捉えている。どんな気象条件にも臆さずにシャッターを切った気力が感じられ、登りきった者だけが出会える感動が画面を通して伝わってくる秀作と評価された。

[受賞]

2011年度金丸重嶺賞

 

 

小山貴大「Je vous en prie」2011年度芸術学部長賞受賞作品

[作者]

小山貴大

[作品]

「Je vous en prie」

[解説]

ヨーロッパの建築や風景をHDRのソフトを使用してイメージ化した作品。教会や寺院の金色に輝く内部、また大聖堂などの荘厳さの表現が素晴らしい。独自の長い歴史や文化を背景に持つ異空間としてのヨーロッパが、時にミステリアスに時には童話的にとドラマチックに表現された優れた作品であると評価された。

[受賞]

2011年度芸術学部長賞

 

 

川嶋謙吾「A ROUND THE WORLD」2011年度芸術学部長賞受賞作品

[作者]

川嶋謙吾

[作品]

「A ROUND THE WORLD」

[解説]

暗と明のふたつの世界を表現したファンタジックな作品。円周魚眼の独特な表現効果を使い、それを展開してデジタル的な合成技術により不思議な世界を表現している。周囲を暗くした地下世界と、空に囲まれた地上世界を対比し、美しくも幻想的な感覚を生み出している。技術的完成度も高い秀作であると評価された。

[受賞]

2011年度芸術学部長賞

 

 

堀内慶太郎「ツクヨミ」2011年度芸術学部長賞受賞作品

[作者]

堀内慶太郎

[作品]

「ツクヨミ」

[解説]

日光の霊的な雰囲気を夜景によって巧みに表現した作品。時間をかけた取材で、新月と満月の夜に撮影を行い月光が醸し出す神秘的な光の世界を現出している。草や木、風、水、星や動物まですべてに霊の存在を感じさせるアニミズム風景として構成され、夜の支配者としてのツクヨミを表現した優れた作品であると評価された。

[受賞]

2011年度芸術学部長賞

 

 

谷口光子「うつくしきもの」2011年度芸術学部長賞受賞作品

[作者]

谷口光子

[作品]

「うつくしきもの」

[解説]

様々な台所を撮影することで、そこを居場所としている女性たちを表現しようとしている。人の姿は登場しないが、画面には女性たちそれぞれの個性や価値観なども浮かんでくる。数多くの台所を丹念に撮影することによって今の時代を生きる女性の姿を克明に描き出した秀逸なドキュメンタリー作品であると評価された。

[受賞]

2011年度芸術学部長賞

 

 

遠藤真人「煙道」2011芸術学部長賞受賞作品

[作者]

遠藤真人

[作品]

「煙道」

[解説]

作者の鉄道写真の集大成として蒸気機関車を追ったドキュメントである。作者の熱いまなざしにより、メカニカルな美しさ、鉄の機械の質感、躍動感といった蒸気機関車の魅力が存分に表現されている。機関車が生きている生命体のように表現され、鉄道写真として極めてすぐれている作品であると評価された。

[受賞]

2011年度芸術学部長賞